長い紙に描く~絵本仕立て
2019.12.20
社会福祉法人みわの会 千田保育園-3歳児クラス-
普段の遊びの時間で筆ペンが流行っているとのことで、筆を走らせるような体験を拡大してみようということになりました。
四つ切りの画用紙を縦半分に切り細長い大きな画面に描く提案です。絵の具が苦手な人も取組やすいようにコラージュの要素も織り交ぜ、最終的には絵本仕立てにしてみてはどうかと考えました。牛乳パックパレットに5色を並べたものを一人一つ以上使えるように準備しました。
絵の具を並べていると数人が寄ってきてテーブルを覗き込んだり、絵の具のボトルを持って振ってみたりと興味津々の様子でした。画用紙もふんだんに用意していただきました。デモンストレーションでは、画用紙を縦にして上端から下端まで一気に筆を走らせてみました。色は筆に何色かつけて画面の上で混ざりながら描けることを伝えています。コラージュ用に英字新聞を持ち込みました。画面に入れると変化します。貼っても貼らなくても自由というのは今となっては当たり前です。制作では、絵の具の色の変化を観察する姿、筆の感触を確かめてみる姿、牛乳パックパレットの絵具に注目する姿、英字新聞を熟読(?)する姿、イメージの写真を探していくつも貼る姿、支持体の画用紙を繋げてみる姿、など、様々に展開していました。絵本仕立てにしてみようとする人はわずかですがいらっしゃって、でも、折り方が難しかったようです。また、同じ行為を繰り返すように何枚も描く人と、一枚にじっくり向き合う人といました。
振り返りで、慌てて子どもを止めることが最近少なくなった、とのお話が担任の先生より出まして、それはなぜだろう?と考えてみました。子どもが画材や道具に興味を示して寄って行く姿を見ても、なぜか慌てなくなったといいます。子どもたちの振る舞いが落ち着いてきているのをこちらは感じとっているのだろうと先生方はおっしゃいます。その落ち着きは何からくるのか?とさらに深く見ていくと、時間も量もやるかやらないかを選択する自由も“保証”されているということが、子どもたちの中に浸透してきているからだろう、そこから子どもたちに安心感が生まれているのでは?そんな話が出ました。今後の様子の変化が楽しみです。