錦糸町の保育園で定期的に実施している美術の時間と振り返りの様子です。

先日の4歳児クラスでは「透明素材と網と金属素材でつくる」という素材からの提案をしました。

使わなくなった容器類を「廃材」と呼び日常生活でも集めて造形に活用したりされています。子どもたちは廃材遊びが大好きで、廃材から今までと違った視点で何かできないか?と相談がありました。数年前に美術の研修で扱った透明素材と金属素材の組み合わせを思い出し、その応用編のような形で組み立ててみました。廃材も「透明」というカテゴリー限定で収集してみると、集まった状態を見ただけでなんだかワクワクしてきてしまいます。様々な形大きさの「透明」なものが大きな袋にごっそりある。袋の中をのぞきに来ては「わ〜〜〜」とため息のような歓声のような声が聞こえました。透明素材と合わせる金属素材は手近な材料でアルミホイルとアルミ皿など。それらと網戸の網とをハサミで切ったり穴を開けてワイヤーでつなげたり、というデモンストレーションを行いました。それぞれの素材を組み合わせて楽しむ提案です。

さて、子どもたちの様子はどうだったかというと、

アルミ皿を切る感触に魅了され、ただ切る、切り続ける。切った残りの平らな部分を重ねています。この時、これをどうするか?は本人にイメージがあったかどうかはわかりません。

網戸の網にマジックで色を塗る、だけ。それだけの行為に真剣に取り組んでいました。

並べる。小さなものをたくさん作って並べて完成。「できた!」と教えに来てくれた時は、テーブルにただ並べてあるだけでした。私が意図的に黒い台紙に並べることを提案し、受け入れてもらえたので並べなおしてもらいました。

こちらの保育園では制作した作品を次回の美術の時間まで約ひと月くらい廊下などに展示しています。この並べた作品を展示するのが難しいと感じた私は、この中から壁に展示したいものを選んでもらいました。

彼女が選んだのが↓こちら。

念のため確認しました「これ、〇〇ちゃんが描いたり切ったりしたものじゃないけどいいの?」と。彼女は「いいの!」と言うのでこれを代表作として展示しました。

こちらの提案に興味を示した子どもももちろんいまして、異素材同士の組み合わせを試行錯誤する姿もありました。

毎回の美術の時間のあとに担任の先生方と振り返りの時間を持っています。大人の側からしたら予想がつかなかった様々な姿を見て、こちらが気づかされることや疑問に思うことがたくさんあります。この日先生方からは

「作品にならないがただ切っているだけで満足そうにしている姿が印象的」

「ゴールにこだわっていない姿、大人の視野は一つしか見られないが、子どもは広がっている感じがした」

「おままごとの片付け場所なんかも大人が決めたゴールかも、、。場所よりも片付けたいという気持ちを大切にしたい」

などのお話が出ました。

美術の時間から観えたことが日常に生かされていけば嬉しいと思いつつまた次回楽しく提案したいと思います。