2019.12.13 社会福祉法人みわの会 千田保育園 美術の時間-4歳児クラス-

先月、5歳児クラスで実施した箱と写真を使用した制作。4歳児クラスの人たちが見て、私たちもやりたい!との声が寄せられました。ご要望にお応えしての実施です。

担任の先生にお願いして、事前に遠足のときの写真を印刷しておいていただきました。使いやすいようにスナップの大きさに切って準備。それらの写真と色々な大きさや形の空箱を利用してコラージュの提案です。空箱は蓋が繋がっているタイプもありバラエティに富んだラインナップ。

さて、準備の段階で、

素材コーナーに写真やボール紙を並べていましたら、次々と人が群がり、〇〇くんが写ってない、とか、〇〇ちゃんの写真見つけたよ~、とか、ほとんどみなさん写真に夢中になっていました。

4歳児クラスはいつも、座って説明を聞いてもらってから制作を開始しています。

でも今日は、ざわざわと写真に夢中な状況でしたので、写真を選んでいる人たちの傍で進め方の説明を人知れず始めてみました。

聴きたい人だけが説明に耳を傾けている雰囲気でした。

担任の先生方から「美術の先生のお話聞いて〜」という類の声かけも今日はありませんでした。後でわかりましたが、あえて何も子どもに声かけせずにやってみていた、とのこと。結果的にその場にいた大人は全員、子どもたちの様子をただみて観察していました。

やっていいの?と聞かれて、どうぞ、と声かけしてみると、写真と箱と筆などを両手いっぱいに持ち、手近な空いている椅子に適当に座ってどんどん制作が始まりました。

絵の具を使うタイミングもそれぞれという感じ。使いたい時に「青ください」「赤と白ください」などともらいにきていました。

さっと描いて次の箱に、というように即興的にいくつも作る姿、

ひとつをじっくり一色で塗りつぶすことに集中する姿、

箱にではなく平面に写真を細かく切って貼る姿、

写真を使わない、

写真をずらりと大量に貼る、

めくれるような仕組みを思いついてやってみる、

など、様々な姿が見られました。

振り返りでは、「始めるよ!」と言わなくても始められるって、子どもたちがやりたくてやり始めてる姿で良いな〜と、全員が同時に話を聞いてから始めなくても何も混乱なく進むことが印象的だったという話が出ました。

参考作品のようにやりたいけどやり方がわからないという場合には、自主的に聞きに来る姿もあり、頼もしいなと思います。

また、今回養生シートを敷かずに制作しましたが、絵の具がこぼれたら自主的に拭く姿が見られました。いつもと違う環境を設定したら、その環境なりの姿が見られるようです。

見えていないことは多々あるけれど、それを見ようとする努力は大切だし、見るためにはやってみなくては見えないな、とつくづく思いました。